女の人と付き合ったことがあるかと聞かれると、正直ある。同級生とかじゃなくて、”女の人”。 中2の三学期始まる前ぐらいに付き合って、すぐ別れたけど。俺は今みたいにしっかりした兄貴肌じゃなかった。確実に。 甘えん坊っていうのが俺の売りで。弟とかみてるから、どこで甘えたらいいのか、どこでしっかり踏ん張ればいいのかポイント掴んでるから。 ちょっと甘えればなんか買ってくれたりとか。別に悪だくみとかじゃなくて、ホントに。 甘いものを食べに連れて行ってもらったり。なんかアクセサリー買ってもらったり。まあ、わかれた理由はやっぱり部活。 だって俺にとってテニスの方があの人より大きかったし。結局言いたいのは、 俺ってこんなキャラだったっけ、ってこと。 【AtoZ.01:俺とお前】 別にジャッカルが「丸井ブン太改造計画」を行ったわけでもなく、俺がいきなり兄貴になってやろう、と思ったわけでなく。 仁王に騙されてるとか、実は仁王だとか、赤也のためにだとか全然全くそんなわけではなく。 「あ、ブンちゃん」 こいつだ。 甘えるのは俺の特権。弟キャラは俺のもの。 お姉さま方は近寄らずにはいられない母性本能をくすぐるこの性格が、こいつのせいであっさり変わってしまった。 ちょっとぎゅぅって抱きつきながら「好きだから」って言えば、 前のお姉さんも結構長い間がまんしてくれてた。――我慢が出来なくなったから別れたんだけど。 「今度さー、またチョコレートケーキ食べにいこ!なんか甘いもの食べたい気分」 いいぜ、と頭をなでてやる。違う、俺こんなキャラじゃなかった。兄貴肌とかそんな気持ち悪いキャラじゃなかった。 それは第一ジャッカルの役目で。俺、こんなんじゃなかった こんなんじゃ、 「…俺、違う」 「ん?なにが?」 好きだから変われるだとか、好きになったら変わっちゃうとか、そんなのなのかもしれない。 けど俺は気づいた。前の俺と、今の俺の決定的な違いを。だって確実にこんなんじゃなかった。俺、ちげーだろ?なあ、ジャッカル 「ブンちゃんどうしたの?もうそろそろ午後練始まるけど」 「あ?…あぁ」 こいつの隣りにいるとおかしくなっちまうのか?嫌、違う。俺は好きでこいつの隣りにいるんだろ?ちげーのかよ。 けど、今の俺が好きかと聞かれると困る。だって俺は俺であって、どれも俺のはずだから。それでも、気持ち悪くてかなわない。 前の俺は違った。甘え上手でいつも弟みるのを活かして、お姉さんがたにモテたもんだ。そっちのほうが、俺っぽい。はずなのに、 「どうかしたのかよ、ブン太」 「なージャッカル、俺ってちがうくね?前と」 「前?」 首をかしげたジャッカルが、「お前はおまえだろ。前ってなんだよ」と笑う。ちげーだろ、どう見ても違うじゃねーかよ前と。 あいつが来てから、ジャッカルに甘えることだって少なくなって、ジャッカルに迷惑かけないと俺じゃないだろ? 「ちがうだろぃ?どう見てもちげーじゃねーかよッ!俺が俺じゃないのにお前気付かないのかよッ!」 「は?お前どうしたんだよ」 どうしてもこうしてもねーよ、お前がどうかしたのかよ。甘えん坊で赤也に負けず劣らずの自己中心なキャラが俺のスタンス。 そのはずなのに、全然今の俺は違うだろぃ。兄貴肌で好きな奴のためならなんでもしてやる、なんて。俺じゃねーだろ。 今日の練習試合はボロボロだった。きっと俺がこんなことで悩んでるせいだ。…こんなこと?こんなことじゃない、大事なこと。 なんで俺が頭悩ませないといけねーんだよ。 「なんか丸井先輩、今日変っすよね。なんか悩み事なら、俺聞いてあげましょーか」 にやにやと赤也が笑う。こいつは変わらない、が来ても来なくても。――ちがう。こいつだって変わっちまった。 前はもっと気分屋で、すんげー他人に気を遣わせるやつだった。今のこいつと前のコイツ、どう考えてもちがうじゃねーか。 真田はどうだ?柳はどうだ?幸村なんか、姉のほうにぞっこんで全然キャラちがうじゃねーかよ、黒いところはかわんねーけど。 柳生は変態度が増した気がするし、仁王だってもっと女遊びが激しくてちゃらちゃらして人だますのが仕事って感じだった癖に、 が来てから何気にいい先輩してやがる。赤也はさっき言ったとおり。ジャッカルは俺のことが何にもわかんなくなっちまった。 の、せいなのか? 「ブンちゃん、鍵閉めるけどどうする?」 「…出る」 いつの間にか俺としかいなくなっちまった部室を出る。抜け出したい、こんな悪循環の世界から。 抜け出すにはどうすればいい?こんなおかしい自分も、気分の悪い無限ループからも。抜け出すには、 「」 「ん?」 振り向く。ほら、見てみろよ。ちゃんと考えてみろ。どこが好きなんだ、俺は。こいつのどこが好きなんだ? 異世界から来たってだけで、別に普通の女子じゃねーかよ。こんなやつのせいで、俺は悩まなきゃいけないんだぜ?嫌だろ? 「どうかした?」 違うだろ、何寝ぼけてんだよ俺は。こいつは俺が護るって何度も決意したじゃねーかよ。 千石のせいで悲しまないように、って。きっとこいつが、俺の運命の人だって。ただちょっと、設定がバグしただけで。 「帰ろうよ、」 ほら、恋は両想いになった途端冷めるって言うだろ?それだよ、今はまだこいつが振り向かないから俺は必至こいてるだけで。 正気に戻ればこんなやつ、すぐに好きじゃなくなるって。前の俺が戻ってこれるだろ? 「ブンちゃん」 俺は、 おれはどうしたらいい? 「丸井先輩、今日は甘いもの食べてよく寝てくださいね。ずっと変ですから、それでは」 鍵を閉めて、俺に背を向けて去って行ったあいつの一瞬見せた苦い顔。俺、こんなんでいいのかよ。 わかったんだ、あいつは。俺が悩んでる原因がだってことを。俺が悪循環の中をさ迷ってることを。それを、のせいにしようとしていたことを。 わかっていたんだ 最後は冗談っぽく笑ったあいつの顔が、俺は嫌いだ。あいつは人をだますことが好きだ、なんて言ってるけど、こんなときだってあいつは人をだます。 そんなとこも嫌いだ。いつだって人の顔をうかがってるあいつが嫌いだ。あんな悲しそうな顔、苦い顔、俺は嫌いだ。 けど、 一度本気で笑いだしたら止まらないあいつの笑顔が好きだ。俺に愚痴るときの、戸惑いながらも真実を言おうとする必死さが好きだ。 いつだって、誰かに気を使ってるあいつが、好きだ。 甘えるって言うのは俺の専売特許。弟・自己中心キャラは俺のスタンス。今の俺は、おかしい。 みんなやその姉が来たことで変わっちまったことばっかりで、たまに戸惑うけど。おかしいけど、嫌いじゃない。 いや、嫌いだけど、それでわかったこととか手に入れたものとかもあったりする。 今日は甘いもの買って帰って、すぐに寝よう。 んで明日、あいつに「ごめん」って謝るんだ。ついでに、こころの中で前の俺と今の俺に「ごめん」って。 お前も、前のお前も結構気に入ってるから、今はタッチ交代ってことで、どうよ。 □ 誰でもない。それは、 【AtoZ.02:君だから】 はおかしくなる時期がある。これに気がついたのは2つの世界がダブってからなのだが。 ブン太は不意に窓の外に目をやり、視界に映った影に思わず目をこすった。今日は台風が来たわけでもないのに強風・豪雨で夏を感じさせる。 そんな中、昼休みに失踪していたが立っていた。今は5時間目のはず。これが終わればすぐ挨拶して荷物持って部活直行。 しかしは立っていた。雨でぐしょぐしょの地に足をつけ、強風に髪とスカートを乱しながらそれを直すわけでもなく。 思わず立ち上がる。「どうかしたのか、丸井」という先生の声に「ちょっと腹痛んで保健室言ってきます」とだけ告げて猛ダッシュ。 アイツ何してんだよ、風邪ひいたらどうすんだよ 外に出ようとすると、雨で下駄箱の床はびしょびしょなうえ風で上手く歩けない。 それでも懸命に風に反抗しながら外に出てのところまで行く。掴んだ腕は異様に冷たかった。 「何してんだよおまえ、」 続けようとした言葉は風で乱れる髪が邪魔で上手く言えない。叩きつけられる雨が痛い。は「ブンちゃん」と呟くとこちらを向いて笑った。 「良い天気だね」 はおかしくなる時期がある。何をするにもぼーっとしているし、まるで魂が抜け落ちてしまったかのような。 何がどうしてこうなるのかはわからない。直接姉に聞くこともできないし、いい対策法はわからない。 「良い天気、だね」 部室の鍵を閉めたの腕を掴んで走り出す。 「なにー、どうしたのブンちゃんっ!」と声を張り上げるの問いにも答えずに、ただブン太は走り続けた。目的地は、 「をー!キリン!」 こんな日に動物園にくる客なんていないようだ。園内にはとブン太の姿しか見えず、黒い雨雲から隠れるようにして動物たちも身を隠す。 それでもでかい動物たちを見たり、小屋の中の動物を見たりした。が楽しそうにしているのを見るのが、楽しかった。 すっかり暗くなった空が、雨雲を隠す。夜になってしまえばわからないものだ。 それでも、動物園を出たとたんにぽつぽつと落ちてきた雨はやはり隠そうとしても隠れない。が空を見上げた。 部活の間に乾かしていた制服も、今の少しの間にびしょびしょになってしまった。 「ブンちゃん、ありがとう。動物園楽しかった。やっぱり今日は良い天気だね」 誰でもない、君のため。「まあ別にいいってことよ」 ちょっとでもお前の気が晴れるなら全然いい。雨雲が流れる空の下、明るいとはお世辞にも言えない動物園で隠れた動物を見ていくのも。 きゃっきゃとはしゃぐお前が、一見いつものお前に見えるのなら、それでいい。これが、時期を終えるきっかけになるのなら、それでも。 誰でもない、君だから。「また来ような」 例えお前の心が千石一色でも、隣にいるのが俺なら。泣くときも笑う時も、ケーキ食うときも動物を見るのも、おかしくなった時も。 隣にいるのが俺なら、それでもいい。愛してると伝えたいのは、お前だから。それでも言わないのは、お前のため。 「じゃあ帰ろうかー」 雨に打たれながら笑ったお前の顔は、一見いつもと同じように見えた。俺の、気のせいじゃなければ □ 「最近のの奇行は少しすぎるようだ。何があったか、知らないか」 部活の会議で提案されたこの問題は、誰も答えることができなかった。というか、こんな問題が部内の会議で浮上して不思議と思わないのか。 とは突っ込むことができず、は自分が問題にされていることを思い出して身を縮めた。――それにはちゃんとした理由があるのだよ、諸君 本人の前で普通真剣な顔で話し合うもんがあるかっての。 内心毒づきながらちらりと隣の赤也を見てみる。赤也はじーっとこちらを観察して、何かあったか思いだしているようだ。視線が痛い。 【AtoZ.03:その柔らかい言葉はまるで強風のように】 それは、数日前の朝だった。 「うそ、」 テレビのリモコンを、ポロリと落してしまうほどのショックがを襲った。 あの好きだった俳優さんが、あまり好きではない”女優”と名のつくアイドルか何かと付き合っているというのだ。 まあそんなにショックを受けたのはその時だけだったのだが(生憎人に無関心なので)、は首を傾けた。 「もしや、私はこの”あまり好きではない女優と名のつくアイドルさん”とおんなじ立場なのでは?」 日頃は部活で精をだし、昼休みさえもレギュラーとともに行動しているは、異世界人ということを除ければ普通の女子だ。進歩しても下の上だ。 一度考えだすとそれはどんな思考をも蝕んで、結局それしか考えられなくなる。 それを紛らわすためにテンションをあげていたら、今日の部内会議でこんな問題が平然と提案されてしまった。君たちも、ちょっと落ち着こうよ。 それに、奇行といってもそれほどでもない。 朝は今ハマってる某スーパーヒーロータイムにあっていたライダーシリーズのお祭りで売っているような仮面を被って部活に登場、 「俺、参上」と決め台詞を吐いてからチャイムぎりぎりの教室に入って担任にこってりしぼられクラスで笑われ。 (もちろん、その笑い声は赤也のクラスまで聞こえていた) 授業の合間の移動時間はとりあえず許可なく校庭の花壇に花の種を植え、水やりをして校長のベンツを水でべしょべしょにする。 ついでにそこに通りかかった真田を頭の上から濡らして、やむなく保健室に行かなければならなくする。 授業中は鼻歌でこゆいアニソン・キャラソン。放課後のテニス部には、初代プリ○アを歌いながらその仮面をかぶって登場。 「二人はぷ○きゅあ☆」 とどこにいるのかわからない相方とポーズを決めながら、無事に復活した真田にお説教される、という感じだ。 あえていおう。いつもとそれほど変わらないぞ、コノヤロー。 「私は落ち込んでいるのだよ、諸君。あまり気に留めないでくれないでおくれ」 およおよと目元をぬぐう真似をしながら言ってみると、「それもそうだな」と案外簡単に提案はおろされてしまった。そんなっ!もうちょっと心配しろよ! というの心の叫びも虚しく、その日の部内会議は終わってしまった。 「ー、今日カラオケいかね?ちょっとしか時間ねーけど、落ち込んでんだろぃ?俺が慰めてやってもいいぜ?」 「やった!ブンちゃんサイコーッ」 「俺も俺も!俺も行きたいッス!」「お前は自腹」「えーっ」 「じゃあ歌います、AtoZ」 マイクを握ると離さない、とはまさにこのことかもしれない。先ほどからのメドレーが続いている。 まあそのために連れて来てやったも同然なのだから、とくに気にも留めないのだが。 自分は運ばれてきたポテトを頬張りながら、ブン太はぼーっとを眺めた。 原因は何となくわかっている。ファンを見るときの、あの渋い顔。眉間に何本も皺を作ってフェンスの周りの女子を見ていた。 『ヒロインって大嫌い』 といっていた自分が、回りからヒロインのように見られるのが嫌なのだろう。というのはブン太の憶測にすぎないが。 じゅごーっと飲み干してしまったコップを机に置くと、不意にメロディーが耳に入る。この曲、知っている。 の好きな歌手の曲で、その人の好きな曲をMDに入れて渡された。「これ、今度一緒にカラオケ行ったとき歌ってくれたら超嬉しい!」 前に一曲声が似てるから知っていた歌があったのだが、結構嫌いじゃなかった。 ので何気に勉強のときなんかにきいているのだが。それを思い出したのか、がもう一つのマイクをブン太に手渡す。 にっこりわらって、「歌って」の合図。 しょうがないな、と思う自分はそうとう末期だと心の中で頭を抱えた。前の俺、もうお前は戻ってこないかもしれない。 は嬉しそうに一緒に歌いながら笑ってる。お前、ホント歌うの好きだよな。そう言うと、「ブンちゃんと歌ってるし」とにぃっと歯を見せる。 なに言ってんだよおまえ、 「いつもブン太の兄貴にはお世話になってますしねぃ」 あたり前だろ、いつもお前と一緒にいようとしてるのは俺で 「ねー赤也!兄貴分だよね、ブンちゃんって。あたしみんなと会って、一番予想外だったのはブンちゃんだったなー。 でもあたし、今のブンちゃんも好きだよ」 そうだよ、お前がいるから今の俺がいるんだよ。前の俺だって、お前がいるから我慢できてるわけで。 お前はいつでもそうやって誰かに好き好き言って、恥ずかしくねーわけ?そうやって、いつも 「あたし最初からここにいたら、ブンちゃん好きになってたかも」 そうやって、いつもお前は俺の中をかき乱して笑顔で去っていく □ ベットに身を投げ出す。言葉が耳から離れない。離れようとしない、離れてくれない。 『あたし最初からここにいたら、』 なんなんだよそれは。お前は自分の感情を素直に伝えるだけじゃなくて、俺の立場も考えて言葉を選んで離せよ。 『ブンちゃん好きになってたかも』 俺は男で、お前は女で。振り向かないのなら、振り向かせろというのが前の俺の心情。あいつが幸せなら、というのが今の俺の気持ち。 いつだって俺はお前のこと見てるのに、お前は俺のこと見てないふりしてよく見てる。なんだよそれ、じゃあずっとこっち見てろよ。 いつだって俺はお前のためにそばにいて、お前だからそばにいる。お前がいてくれるから、俺は が少しでもいつものに戻れるよう、雨の中動物園に連れだした。 が少しでもいつものでいられるよう、カラオケにだってケーキを食べにだって、どこにでも連れて行ってやる。 ほら、俺の方がいいだろ?千石がなにするっていうんだよ、俺の方が、いつだって近くにいるじゃねーか。 お前が欲しいって言うなら、俺死ぬまでに一生懸命働いて高価な物だって買ってやる。お前がしてほしいなら、時だって止めてやる。 今度は俺が異世界に連れて行ってやったっていい。お前が今の俺が好きだって言うんなら、一生この俺でいてやるから。 なんだってできる。お前のためなら。 何したって千石にかなわないって言われようが、いつもそばにいるのは俺だろ?そのうち、俺がいないと、生きていけないようになる。 いつもみたいに、お前の腕を掴んで走り出して。どこか遠くに行ったっていい。俺達二人の場所に連れていく。二度と誰にも会えないように。 そんなこと言ったって、しゃれにならねーよ。だってそれぐらい俺はお前を、 【AtoZ.04:最後はZ】 「んじゃね、ブンちゃん」 片手を挙げたをひきとめる言葉を、ブン太は探していた。 特に今日は用があるわけでもなく、いつも通り校門で別れを告げて去ろうとしたの腕を、ブン太は掴む。 ”いつもみたいに、お前の腕を掴んで走り出して。どこか遠くに行ったっていい。俺達二人の場所に連れていく。二度と誰にも会えないように。” 「いや、なんでもねーよ。んじゃ明日な」 首を傾げたが、は「うん。また明日」と笑うと家への道を歩き始めた。先ほどまでの腕をつかんでいた手を握る。 まだ体温があった。今ならまだ間に合う。走って行って後ろから抱き締めて。 振り返ったあいつに「好きだ」と告げて走り出せば、まだ間に合う。まだ、間に会うだろぃ?…なあ なあ? 「?ブン太か。こんなとこに突っ立ってなにしちょるんじゃ?」 「ん?あぁ…いや、別に。なんかタイミングはずした」 上手く笑えなかったブン太に「笑えてないぜよ」と告げて仁王は背中を向けた。 「ま、頑張りんしゃい」 今度は上手く笑えたように思えた。「おぅ」と返事をして自分も背中を向ける。 きっと最初から最後まで、俺はお前を想ってる。 そして最後には、お前を **************************** →妹さん悪女!(涙)仁王いいとこどり!;; 高橋直純さんの「AtoZ」をイメージしました。なんだか無性に書きたくなって。 シリアル(あ、シリアスのことです)だったりギャグ…かと思ったらシリアルだったり…なんなのよもう!いそがしーなー! というか本当に書いてて妹さんが悪女なんじゃないかと思ってきた。いっそのことブン太相手にしちまったほうが二人とも幸せなんじゃないか…? いやいや、千石さんという相手がッ!・・・だがしかし妹さんが悪女というのも納得が…うぅん、悪循環… |