■姉妹


宍戸に指でラケットを立てる方法を教えて貰っていると(指がつる…ッ!と悲鳴が上がっている)、
部室の椅子に腰掛けて漫画をめくっているを見て、忍足と岳人が部室の端で肩を寄せ合っていた。

「なんやあの二人、姉妹言うても全然そんな感じせぇへんな。顔もまったく似てへんし」
「当然だろ。お互い赤の他人の身体の中に、姉妹が入ってんだからよ。
でもよ、はこう…予想がつかない行動が多いけど、は結構常識人だよな」

「せやな。いつも暴走した止めとるもんな」


その時監督に呼ばれていた跡部が戻って来て、を横目で見ると、コホンとわざとらしい咳払いを零す。
が、漫画を夢中で読んでいるはまったく気付いておらず、がニヤリとあくどい笑みを浮かべた。

「跡部、何であんなそわそわしとるん?」
「…さぁ?」

「アプローチするらしいよ」
「「うわッ!?ジロー!」」

突然会話に加わってきた忍足と岳人が身体を浮かすと、
驚かせた本人にも関わらず、ジローは唇に人差し指を添えて「シ――ッ!」と言い、輪の中に顔を寄せた。

「さっきね」


→回想
「はぁ?姉ちゃんの好みのタイプ」
「何でも良いんだ。勉強が出来る男だとか、テニス部の部長だとか、
大勢の注目を浴びてる男だとか…泣きボクロが似合う男だとか

「それって暗に自分を指してる訳?(ナルシストは嫌いだろうと言ってやりたい)
あ――…そうだね、向こうに居る時は、結構背の高い人が好きだったかも。後声の好みにうるさいよ」
「声は言うまでもなく合格値だな。175はどうだ」

「(うわー本気だよこの人)そうだね、もうちょい高いほうが見込みがあるんじゃない?(適当)」
「…そうか…」



回想終了


ジロー達三人の眼が興味津々に跡部とに向き、がニヤニヤと口元を緩めて事を見ている。
跡部がもう一度咳払いをすると、は漫画から目を離して「どうしたんですか」と尋ねた。

「最近関節が痛むんでな」

が怪訝な顔をして、忍足達はブフーッと噴出し(咳払いと何も関係ね――ッ!)、
跡部は見せ付けるように膝をさすると、ふっと微笑んだ。

「俺様の背もまだまだ伸「跡部君、それ痛風かもよ。病院行った方がいいんじゃない?(大真面目)」」
「…貴重な意見だな」

「?、早いところ行った方がいいよ」

この姉ありて妹ありか…と、途端に笑い出したを見て思ったそうな。
もはや笑いを通り越して跡部が哀れになった部員が、
後でこっそりと牛乳を跡部のロッカーに入れて逆鱗に触れ、鬼と化した部活でひぃひぃ言ったらしい。

そして部内では一ヶ月ほど「身長」「伸びる」「痛風」が禁止ワードとなり、
身長を誇る長太郎と樺地(彼までもが餌食になった)への風当たりが悪くなったのは、
当本人のはまったく知る由もなかったのである。



「所でさ、姉ちゃんの好みのタイプってどんな人?」
「え?リョーマ

「期待通りの答えをありがとう」


の恋に身長なんてまったく関係ない事が判明。
跡部の恋路はまだまだ長そうな、秋口の出来事でした。



痛風→関節が痛くなる病気らしい(聞きかじり)肉とか魚とかばかり食べてた人がなったので、
昔は贅沢病とも言ったらしいが(の発言はこの辺りを意図していた/要するに知識が古い)、
現在ではあんまり関係ないと判明したそうな。

妹は好きで地雷を踏み、姉は悪気なく踏む。そんな姉妹である

ゆでたまご




 ■菊丸が絶対に言わない言葉


「なぁ大石〜。せっかくストレート勝ちしたんだから、もっと喜んでみろよな」
「何だよ英二、十分喜んでるじゃないか」

「違うの〜。俺が言いたいのはぁもっとこう、ブイブイ!って感じでピースする位の心意気が欲しいんだよ」


「…」
「何、、菊丸と大石がどうかしたの?」
「嫌さ、今日夢にきっくんが出て来たんだけど、それがまた悪夢に近くて
…あの会話聞いてるとそれ思い出してなんか怖いっつーか、気味が悪いっつーか」

「悪夢?」
「うん、きっくんがね。



ブイブイ言わすどッ!って凄い目と声で言って来るんだよね」
「たった今菊丸の可愛い仕草が、アンタのその一言で汚されたよ」

「でしょー。あーよかった。同じ重みを姉ちゃんに背負わせて。あれ?手塚?」
「アンタやばいよ、今の絶対聞かれてたって…ねぇ、背中が小刻みに震えて見えるのは気のせい?」
ブイブイ言わすどッ!」(手塚の背中に向けて叫んでみた)

「…笑ってる」
「手塚が、笑ってる…」


この後手塚の地味にツボに入ったらしく、菊丸を見る時若干口元が緩んでいたそうな(それも怖い)。

ゆでたまご



 ■アバウト(もしも編)


「ねぇねぇ、ちゃんの好みのタイプってどんな人なの?」
「何ですか、急に」

「だって気になるんだもん。ね、教えて!」


お前は恋愛事が大好きな女の子か。
そしてTPOと言うものをわきまえて欲しい。


パコーン、パコーンとテンポよく鳴っていた音が、とんとんとん…とボールが転がる音を残して消えていく。
見ると、練習試合をしていた氷帝メンバーも、傍で柔軟をしていた青学も、
はたまた他の学校の視線もこちらに向いていて、びくりと肩を揺らしたが怯えると、すっと視線がそれた。


再び時が動き出したように練習が再開され、ジローは「それで?」とさりげなく手を掴んで身を乗り出す。


が「そうですねぇ」と言って眉根を寄せ言葉を濁すと、ジローは「アバウトでいいよ」と譲歩した。
リョーマと言うのは単刀直入過ぎだし、第一姉がタイプの好みで弟を上げる訳にはいくまい。



「アバウトに言うとですね…そうですね、忍足君以外ですかね



(((((=忍足以外なら誰でもって…あ、アバウトだ…)))))



「わーい。じゃぁ俺OKって事?」
「OKって意味じゃないですけど、別に嫌いじゃないですよ」

「ちょい待て。何で俺以外オールOKやねん。アバウトにも程があるやろ、
前文見ると、何やお前俺の事嫌いなんか?嫌いなんか?
(別に嫌いじゃないですよ、辺り)

「日頃の奇行を考えると外しざる得ませんよ。ホラ、早く練習に戻ってください。ジロー君も」


ていよくあしらわれた忍足と(嫌い発言について否定なし)、ジローが渋々コートに戻ると、
爽やかに汗を拭いた跡部が「ランニングするぞ」と言って、忍足の肩を叩いた。

「十周走る所だが、お前は八周で勘弁しといてやるぜ
「何や跡部、自分が上がらんかったけんってえらい機嫌よくないか?そんな慰めいらんわ」

「おい!むさくるしい野郎共!恋人の俺について来い!
(候補から一気に恋人まで突っ切る跡部。でも誰の恋人か名乗れない辺りが悲しい性)

「恋人って誰の?」とが尋ねると、「忍足のじゃね?」と(分かっていながら)適当に答える

「忍跡…かぁ…まぁありっちゃありかな。跡部と忍足関連のカップリング別に興味ないし」
さらりと流してスコア表に向かったは、
「勝つのは跡部!負けるの忍足!」と言う謎の掛け声を一切気にも留めず、ペンを走らせた。
(ちなみに忍足は歯ぁ食いしばりながらも声を上げたらしい)


本編(合宿編)のもしも話。
別に忍足が嫌いな訳じゃないらしいが、変態に拒否反応が出るそうだ(彼女曰く)

その日跡部は一日機嫌がよく、忍足は皆より八割の練習でよかったそうな

ゆでたまご


 ■Crafty 改め Crazy


変態論理ずらっと並べて
何十回だってhanny無駄な抵抗さぁ

裏の裏を言いよって しゅらばらんばかいくぐり
そぅ生命のつなわたり Ah〜♪


レンズには度は入ってないよ
君に夢中 I must be crazy

裏かいて Ah 先読まれ はじかれて そうだって僕はクレイジーボーイ


万能柔軟body 駆使して 何百回だってtry変態も辛いねぇ
攻めが遅れて今がチャンス本気モード突入さ

Ah〜 覚悟はえぇかぁ Ah


レンズには度ははいってないよ
いつだって変態 I must be crazy

裏かいて Ah 先読まれ 殴られて そうだって僕はクレイジーボーイ



セリフ☆
「はぁ。そろそろやんなぁ――さて口説くか(無駄にため息交じり)」


レンズには度ははいってないよ
いつだって変態 I must be crazy

裏かいて Ah 先読まれ 殴られて そうだって僕はクレイジーボーイ






、何やその歌」
「あ、これ?姉ちゃんが中三の時に作った忍足の歌の替え歌


Craftyって、ずる賢いとか言う意味。
アニメとか原作の忍足のイメージはそんな感じかも知れないけど、
私は断然皆様の書く二次創作の忍足派なんで。

この歌はちょっと友達の間でブームが起こりました。
PCのデータには入れてたんだけど、なかなか公開する機会がなくて、今更拾って貼ってみました

苦情ノーサンキューです。苦笑いで受け止めて下さい

ゆでたまご