「ようするに、あの場に居たって訳ですか」 このままじゃさらし者状態だと言う事で(早い所気付いて欲しかったとは切に思った)、 とは部室へと連れて来られた。 と、言うのも、あの場にはレギュラー(樺地以外)+日吉がそろっていて。 どうして今まで誰一人部室と言う逃げ道が浮かばなかったのかが不思議だ (恐らくは忍足との妄想に流されて我を忘れていたのだろうが) は跡部の指示か、 好奇心に満ちたギャラリーの目から逃げたかったのと、「部活見に来てよ、俺頑張るから!」と言うジローの押しの強さ、 更に「先輩が来るなら、俺、今日のスカッドは外しません!」と言う長太郎の根拠のないダメ押しに、渋々同行した。 部室の椅子に腰掛け、数日前の事件を跡部と忍足が見ていたと言う事を聞いて、 後輩を助けないで傍観してるなんて最低だという事をありありと顔に書いたに、忍足はフォローを入れる。 「違うんやで。俺達が助けよ思うた時に、自分が来てん。 その上俺達まで出て行ったら余計ややこしくなるやろ?つう訳で、俺達は生暖かく見守っとったちゅう訳や」 腑に落ちない点はあるが、まあ確かにあそこで跡部と忍足が現れたりしたら、逆に収集がつかなくなりそうだ。 どこまでも我が中心の跡部と、意図してるのかしてないのかは知らないが、 事態をややこしくする天才、忍足とのコンビなんて歩く災いとしか称しようがない。 渋々と言った形でとは言えが納得すると、日吉はロッカーに背中を預けて横目で見、深いため息をついた。 「先輩、仮にも女の子なんですから、顔に傷つけるようなマネは控えた方がいいですよ」 「うん。それはもう十分に学んだ」 下手すりゃ南次郎のラケットで負傷者が出たり、 魔王の呪いで何か分からない事態が起こる所だったと思うと、今更ながら背筋が寒くなってくる。 越前さん、きっと貴方自分が思ってるより過保護な位愛されてるよ、 と過剰な程の反応を返した二人(+リョーマ)を思い出しが苦笑いを零した時、 ニコニコと上機嫌な顔で、長太郎は赤ズキンちゃんと狼がスキップしてる(この辺りで誰の趣味か分かる) マグカップを二つ取り出すと、「コーヒーでいいですか?」と尋ねて来た。 見れば備え付けのコーヒーメーカー。お前らホントにここは部室か?と尋ねたくなってくる。 とは言え太郎(43)の私室等と言う恐ろしい返事が返って来たら返答に困るので、あえて触れずに首を横に振った。 「ゴメン。気持ちは非常にありがたいけど、私コーヒー飲めない」 の横に座っているも、大分落ち着きを取り戻してきたのか、はたまた猫を被ることを思い出したのか 「私も飲めないんです」と言うと、やんわりと付け足した――「紅茶なら飲めるんですけど」 さすが抜かりがないと言うか何と言うか、が内心舌を巻いていると、長太郎は「じゃぁ紅茶にしますね」と紅茶の葉を取る。 (ここで紅茶の葉が出て来る辺りレベルが違うと思う/ちなみに私は家でもTパックだ) 「んでよ、何で立海の生徒と、青学の生徒が一緒に氷帝来るんだよ?何の用事だ?」 岳人の言葉に、はやっと本来の目的を思い出したようで、「そうだった」と言うと、内ポケットから封筒を取り出した。 「これ、届けるようにハゲ真田…じゃなかった真田副部長に頼まれたんですよ。ハイ、どうぞ」 どうぞ、と言って差し出された先に居るのは、偉そうに椅子にふんぞり返っている跡部――の横に座っている宍戸。 ぎょっと目を見開いた宍戸を見て、はおほほほと笑うと、わざとらしく跡部に封筒を向けた。 「すみません、宍戸さんに霞んで見えませんでした」 が眩しいくらいの笑顔で言うと、 頬を引きつらせた跡部とは対照的に、忍足はバンバン机を叩いて笑う(忍足の隣に座ってた岳人は迷惑そうに横にずれた) 「まだその話題引きずってんねんや!御嬢ちゃん、度胸あるなぁ! アホベ言うだけやなくて霞んで見えへん…天下の跡部が霞んで見えへん…ブ――ッ!」 あひゃひゃひゃひゃと奇妙な笑い声を上げる忍足は、もはや騒音以外の何者でもない。 跡部の逆鱗に触れたのだろう(当然だが)跡部は眉根を持ち上げると、手近にあった随分分厚いファイルを、忍足目掛けて投げた。 スコーンと景気のいい音がして、忍足が椅子ごと後ろに倒れる。 ピクピクと数回痙攣してから動かなくなった忍足に、岳人は哀れむような視線を送ると、 ザ・ベスト・オブ空気が読めない男に静かに両手を合わせた――成仏しろよ、侑士。 一瞬静かになった部室の中で、長太郎が「お茶出来ましたよ」ととの前に紅茶を置いていく。 さすが香りが違うというか何と言うか。 とは言ったものの、この男もなんだかんだ言って空気が読めてない気がするのは気のせいだろうか、とは紅茶を飲む。 もう皆相手にするのは疲れたようで、帽子をまわし始めた宍戸の他に、各々好きなことをやり始めた(部活しろよ) ジローにいたってはソファーで熟睡だ(部活頑張るんじゃなかったのか) 先ほど怒りに我を忘れた事を恥じているのか、 跡部は落ち着きを取り戻そうとするかのように静かに深呼吸をすると、ほくろを引きつらせた(全然落ち着いてない)。 「…随分ガキ扱いされたのを根に持ってるようじゃねぇか…あぁん?」 「ついでに言うと“女”呼ばわりされたのも気に食わないですね。 あたしには切原って言うそれはもう素敵な名前があるのですよ。アホベ様」 「アホベ、アホベとてめぇだって人の名前まともに呼んじゃいねぇだろうが!このガキ!ガキ、ガキガキ、ガキ!」 「んだと!?アンタの方が十分子どもでしょうが!樺地居ないと何も出来ないくせにっ」 ケイゴ ハ 100 ノ ダメージ ヲ ウケタ の言葉に、ポロリと宍戸の帽子が落ち、 低レベルだなぁと、我関せずの態で紅茶を飲んでいたも、思わず気管に紅茶が入ってむせた。 ((((反論できねぇな…跡部…)))) 誰一人その言葉を口にこそしなかったものの、向けられた同情の視線に、 言わずもがな皆の言いたい事が分かったのだろう、跡部が打ち震える。 弾けるように椅子から立ち上がった跡部は、顎で外を示した。 「てめぇ…表に出ろ…白黒はっきりつけてやる」 「望む所よ。真の王者はがっくんだって事をはっきりさせようじゃない」 何の決定戦だ、って言うか頼むから俺を巻き込むな――ッ! 岳人の声にならない叫びに、は心の中で謝る――「巻き込んでゴメンね、がっくん…」 今にも一戦始まろうとした時、の携帯が鳴ると、 ポケットから携帯を取り出してディスプレイを見たは「げ」と声をあげた。 その嫌そうな顔が、相手を暗に告げる。真田だ。 おそるおそる通話ボタンを押したは、次の瞬間部室に響き渡りそうな怒声に、携帯を十センチ程耳から離した。 『貴様何をやっとるんだ――!』 うおう、とも思わずカップを落としそうになって、ガチャンと食器を落としたものの、 コチラに来てから初めて真田の声を聞いたが、やはりいい声だなぁ、とあくまで他人事のように再びカップに手をかける。 『高々資料を届けに行くのに何時間かかっとるんだ!もしやとは思わんが、揉め事を起こしとるんじゃなかろうな!?』 まだ数えられる程の日数しかこちらで過ごしてないのに、見透かされていると言う事は、好き勝手やっていたと言う証拠で。 じろりとに睨まれたは決闘始める寸前でした、等と言える訳もなく。声が裏返りながらも何とか返事を返した。 「まさか!もうメッチャフレンドリーですよ!跡部に押し倒されて困ってたところです」 「な」と跡部が口を開ける。 一見慌てて取り繕って間違えたように感じるかもしれない、 だがそこには確かに敵意があったと後には語る事になるのだが、 そんな事とは露とも知らない真田は、電話口で「お、押し倒される…」と言うと、耳を劈きそうな声をあげた。 『た、たるんどるぞ跡部――!』 「てめぇ!何ありもしない事を並べてやがる!真田も信じるな!」 今までの光景を見ていれば跡部がかわいそうになってくるが、 何せ泣かせた女は星数ほど、ちぎっては投げ、氷帝唯一の千人切りの異名を持つ跡部である(真実は定かではないが)。 信じるなと言う方が無理だよな、と何とも言えない空気になる部室。 聞こえるはずもないのに叫ぶ跡部に、はニヤリとほくそ笑むと、今にも泣きそうな声でか弱く続けた。 「怖かったです…」 『跡部――ッ!』 「だから信じるなっつってんだろうが!」 ダメだ、こりゃもう手が付けられない。 そろそろ部活始めるかーと、現実逃避に走った部員を尻目に、はため息をつくと、 椅子を立ち上がって歩み寄り、の携帯を取り上げた。「あ」とが声をあげる。 「始めまして真田さん。越前リョーマの姉です」 遠まわしにの姉だという事を名乗ると、真田は「む」と言って静かになった。 一方跡部は「越前リョーマ…?」と言うと、日吉が「青学の一年レギュラーの姉ですよ」とさらりと返している。 そう言えば名乗ってなかった、と思いつつ、 が「スミマセン、今から責任持って駅まで送り届けます」と言うと、真田はしばしの無言の後「うむ」と頷いた。 それじゃ、と言って通話を切ると、は「帰るよ」と言っての手を取り、「お騒がせしました」と跡部に向かって頭を下げる。 一方跡部は謝られるとは思わなかったのだろう(何せ今まで我関せずだった女だ)「あ、ああ」と多少戸惑いを見せながらも頷いた。 「先輩、帰るんですか?」 俺、スカッド見て欲しかったです…としゅんと頭を垂れる長太郎の随分高い位置にある頭を、はぽんぽんと叩く。 「また来るから、その時見せて」 「はい!俺頑張ります!」と、途端に花が咲くように微笑む長太郎を見て、 随分現金な男やな、と何時の間に復活したのか、忍足がファイルの当たった部分をさすりながら立ち上がった。 跡部とバチバチと視線で火花を飛び散らせているの肩に手を置いた岳人は、 首を巡らせたと目が合うと、「その」と言葉を濁らせる。 「巻き込まれるのは勘弁だけどよ。お前、結構賑やかでノリがいいから…また、遊びに来いよな」 照れくさいのか、挙句の果てにはつんとそっぽを向いた岳人だったが、のテンションを上げるには十分だったようで、 は「うん!」と言うと、「また来るね」と無邪気に微笑んだ。 その屈託のない笑顔を間近で見た岳人は、「お、おう」と言うと肩から手を離して踵を返す――心なしか耳が赤い。 「んじゃ、行こうか」 バイバーイと手を振って去っていく二人の姿を見て、各々色々と考える所があるようだが、 嵐の後の静けさ、と言う言葉を噛み締めていたこの後、まだ台風が去っていなかったことを思い知るハメになったのだ。 【トラブルメーカー】 「…これは、あたしのせいじゃないよ」 ポツリと呟いたの言葉に、返す言葉もなくは「ゴメン」と謝った。 「氷帝で張ってて正解だったぜ。まさか青学の生徒だったとはな」 そう言って気色の悪い笑みを浮かべるのは、この間氷帝の生徒に絡んでいたテニス部A。 だが今回はあの時と違って、との周りにはぐるっと六人で囲まれている。 およそ倍。口で勝てぬなら力づくでと言う訳か。 「立海の嬢ちゃんも居るみたいだが、恨むならこの姉ちゃんを恨みな」 またまた悪役お決まりの台詞を言って、ニヤニヤと笑った男達が近づいて来る。 そんな姿にも大して動じず、は「1、2、3」と人数を数えると「三人づつって所だね」とに首を巡らせた。 学校の敷地を出たとは言え、他校の門前で喧嘩するのは正直どうかと思うが、 ここで黙らせておかないと、青学まで押し寄せてくるかもしれない――この人たちの身の安全が心配だ。 「私は武術出来るからいいけど、アンタ大丈夫な訳?」 「大丈夫!あたしは亜久津直伝の喧嘩があるから!三人位チョロイチョロイ」 どちらかと言うとワクワクしてるようにも見えるを見て、はため息をつくと二人で背中を合わせた。 「アンタがトラブルメーカーだとは思ってたけど、私もどうやらそうみたいだね」 □ コートに入った跡部達は、アップをしてから練習に入るぞと走る体勢に入っていたのだが、 いつもならうるさいギャラリーが、何時にも増して賑わっているようで、それはどうやら跡部達のせいではないらしい。 顔を見合わせた宍戸と長太郎の傍で、跡部は樺地がコートに入ってくるのを見ると「どうした?」と尋ねた。 「もう委員会は終わったのか?」 樺地は「ウッス」と言うと、門があるほうに首を巡らせて続ける――「他校生が、門の所で、喧嘩、してます」 その言葉に、「げ」と岳人が言うのも頷ける。いくら氷帝とは言えど、一日に何人も他校生が足を運んでくる事はない。 つまり、と跡部は眩暈を抑えるように頭を抱えると、ため息をついた。 「あのガキか…」 「二人、いました」 跡部の考えは確信に変わった。 とは言え、無鉄砲な切原の妹なら分かるが、あの一見おとなしそうな少女まで加わっているというのか。 「相手は何人だ」 「男が、六人です」 女二人相手に男六人――一体どう言う経緯でそうなったのかは知らないが、早いうちに止めにいかないと彼女達が危ない。 跡部の心情を代弁するように日吉が「危険ですね」と言うと、長太郎があわあわとデカイ図体を揺らした。 「大丈夫ですかね、先輩」 長太郎の言葉に、日吉は呆れたように肩をすくめると、「勘違いするなよ鳳。危ないのは相手の方だ」と言葉を返す。 日吉の言葉に、ぎょっとレギュラー全員の視線が集まり、 長太郎が「そうか、先輩は日吉の道場に通ってるんだっけ」と言うと、日吉は頷いた。 「この前の練習で、大の男を床に沈めましたからね。相手の方、ただじゃ済みませんよ」 跡部達が駆け寄ると、日吉の言葉通り男達は地面に倒れていて、の回し蹴りが最後の相手の顎に決まった瞬間だった。 倒れてる男達を見、パンパンと手を叩いたが「口ほどにもない」と言うと、は「口もたいした事なかったよ」と訂正する。 仰向けで倒れている男の顔には跡部にも見覚えがあって、 どうやら相手はあの時平部員に絡んでいた奴らだと言う事に跡部は気付くと、眉根を寄せた。 ギャラリーの最前列で顔をしかめている跡部に視線が行ったは、 怒っているようだと解釈すると、「他校の門前で問題起こしてスイマセン」と頭を下げる。 跡部は男からに目線を上げると、「何でてめぇが謝る」と気分を害したように言葉を返した。 予想しなかった答えに(どう落とし前つけんだ、あぁん?等と、因縁つけられると思っていた/完璧チンピラ扱いだ) が「え」と言うと、跡部は一瞬何かに躊躇するような素振りを見せて、覚悟を決めると、潔く頭を下げる。 「ウチの部員のせいですまない。あの時は、助けて貰って感謝している」 ありがとう、とはまでは言わないものの、 それが跡部の精一杯の感謝の表現だという事には気づくと、「いいえ」と首を横に振った。 一方、あの跡部が謝り、さらにお礼まで言っているとギャラリーたちは騒然となって、 忍足はそんな彼らを横目で見て跡部を見ると、「しゃぁないなぁ」と言って、ギャラリーに向き直る。 「見せ物ちゃうで、さっさと部活戻りぃや」 普通の生徒はもう帰宅しているので、ここには部活生しか居ないと言う上での発言だ。 忍足の行動を見た他のレギュラーも口々に解散するように指示すると、段々と人ごみが整理されていき、 忍足達は「ほな、俺ら部活に戻るで」と言うと、その場に残ったのは跡部と達だけとなった(男達は倒れてる)。 ――少なくとも、努力もしないでこんな所で油売ってる君達が氷帝の事とやかく言うのは間違ってる。 スポーツマンならスポーツマンらしく、テニスで勝負しなよ! 正々堂々と勝負もしないで一方的に喧嘩売るなんて、かっこ悪いにも程があるわ!みっともないよ! パンッと叩かれた彼女の姿が思い浮かぶ。 「それだけ強いなら、何で打たれた時やり返さなかったんだ?」 突然の跡部の問いには瞬くと、「そうですねぇ」と言ってしばし黙り込んだ。 「行き成り打たれて驚いたってのもありますけど、言いすぎたかなって思ったんです」 「言いすぎた?」 「はい。努力してるかしてないかなんて、この人たちにしか分からないじゃないですか。 それを、知りもしないのに氷帝が努力してて君達はしてないみたいな言い方しちゃいましたし。ソレの仕打ちと思ったらいっか、と」 淡白にそう言ったを見て、跡部は一瞬ぽかんと呆けた顔をしたものの、破顔するように笑いだした。 一人で腹を抱えながら、柄にもなく力いっぱい笑っている跡部を見て、 まるでこの世にあらんものを見たようにとは顔を見合わせる。 「お前…変なヤツ…ッ!」 跡部は途切れ途切れにそう言うと、顔を上げて、と視線を合わせ、ふわりと目を細めて笑った。 「また部活見に来い。お前なら歓迎してやる」 ただでさえ、綺麗な顔なのに ただでさえ、諏訪部さんの声なのに そんな笑顔でそんな事言うなんて、卑怯だッ! カ――ッっと頬が熱くなるのを感じてが顔を逸らすのと対照的に、は「お前ならって何さ」と口先を尖らせる。 そんなに、跡部が「オマケとしてなら、許可してやるぜ」とニヤリと口端を持ち上げたのを見て、 は安堵するようにほっと息ついた――うん、そっちの方が跡部らしい。 まったく心臓に悪い、とドキドキと高鳴る胸をが抑えるのを見て、 そんな彼女を見ている跡部をは見ると、「ふーん」と意味ありげに笑って、跡部の腕を引き、耳打ちした。 「ちゃんが好きなら、あたしに優しくしなきゃダメだよ」 跡部がぎょっと目を見開いて、「何言ってやがるッ!」と真っ赤になった顔を逸らす。 うわー分かりやすー と、態度を見ればありありと分かる見掛けによらない純粋な一面には軽快に笑った。 やっぱ跡部ってヘタレだぁ〜と言う言葉は飲み込んでおこう。 何はともあれ、無事に資料を渡しにいけました!偉いぞ! ![]() |